中国国内で一番作られていて、一番飲まれているお茶の種類はなんでしょうか?
お湯が沸くまであと少しだけ考えてみて下さい。
おそらく多くの方が烏龍茶を思い浮かべたのではないでしょうか。しかし、実は中国でも日本と同じで緑茶が一番生産されており、一番消費されているのです。緑茶の生産の割合は中国のお茶全体の60パーセントを超えています。烏龍茶は10パーセント強程度なので、いかに中国で緑茶が飲まれ、愛されているのか分かりますよね。
「緑茶」は日本人にもとても縁のある飲み物ですが、中国の緑茶についての情報を目にすることはとても少ないのではないでしょうか?さらにいえば、中国にも緑茶があるということに驚く方もいるくらいです。
今回の記事では、私たちにあまり馴染みのない「中国緑茶」は一体どのようなものなのかを分かりやすくご紹介させていただいております。お茶を片手に肩の力を抜いて、旨味たっぷりの緑茶のようにまったりとした気分でお読み下さい。
一般的な緑茶の基礎知識
まず、一般的に緑茶とはどのようなものなのでしょう。お茶の葉や芽は茶樹から摘まれた直後から、茶葉自身が持っている酵素によって徐々に発酵が始まってしまいます。極端な話になりますが、摘んだ後にずっと放置しておけばお茶がどんどん発酵し続けてしまいます。
この酵素は熱を加えると活動が停止するので、茶葉に熱を加えます。すると、お茶の酵素の働きが止まり、発酵が止まります。緑茶がなぜ緑なのかと言うと、熱を加えた際に葉緑体の色が固定され綺麗な緑色が保たれるからなのです。(少しマニアックな話になってしまいすみません)
日本の緑茶、中国の緑茶を問わず、緑茶を製造する際の原理は同じなのですが、少しだけ製茶の方法が違うので次のチャプターで見てみましょう。
中国と日本の緑茶を比較
日本の緑茶と中国の緑茶には、製法上大きく2つの違いがあります。一つ目は茶葉への熱の加え方です。日本の緑茶は主に蒸気で蒸して熱を与えるのですが、中国の緑茶は釜で炒って熱を与えます。それによって、下記のような違いが生まれます。
・中国の緑茶: 釜で炒って熱を与える → 様々な香り、キレ
・日本の緑茶: 蒸気で蒸して熱を加える → 旨味、深み
一概には言えませんが、コクや強い旨味を感じたいなら日本の緑茶。キレや爽やかな旨味を感じたいなら中国の緑茶。ざっくりとこのように覚えておいても良いかもしれません。もちろん優劣はなく、製法の違いによりそれぞれの長所を楽しむことができます。緑茶が好きな方にとっては、その時の気分で飲み分けをするのも良いかもしれませんね。
生産量はあまり多くはありませんが、佐賀県の嬉野茶のように釜で炒った日本の緑茶も市場に出回っていますので、「いつもの煎茶」と違う日本茶を飲んでみたい方は「釜炒り緑茶」を購入してみましょう。中国の緑茶のような香り高い緑茶に出会えるかもしれません。
効能を引き出す緑茶の飲みどき
緑茶には、さぁ仕事を頑張るぞという時にオススメの覚醒成分である「カフェイン」と、その反対のリラックス成分として知られている「テアニン」が比較的多く含まれています。両者が作用するので、コーヒーを飲んだ時のように脳が覚醒しきってしまうことは無いのですが、少し肩の力を抜きつつ頑張りたいタイミングで飲むのをおすすめいたします。カフェインには疲れの感じ方を軽減させる効果があるので、疲れを感じている時にも。
緑茶は二日酔いにも効果を発揮してくれるので、飲みすぎた翌日に優しい香りに包まれてみてはいかがでしょうか?お茶の成分と、落ち着きをもたらす心地の良い香りで、お酒を嗜んだ次の日の朝も良いスタートが切れるかもしれません。

中国の様々な場所で生産されている緑茶は、見た目も味も香りもバラエティに富んでおり、個性的な品種が数多く存在します。これを読んで下さっている方がどこかで中国緑茶に出会う時は、想像をしていなかった見た目、香りと出会えるかもしれません。「中国緑茶」という小さな世界でそんな多様性を感じてみてください。
Photo: Rintaro Kanemoto
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アスファルトをジリジリと焦がすような暑さの中で飲むコーラ。身体に良くないのは分かっていても、シュワシュワと弾ける炭酸に喜ぶ気持ちが隠しきれません。暖房無しでは手足もガタガタ震えてしまう、そんな凍れる寒さの中で飲む中国茶も真夏のコーラのように身体中に染み渡ります。暑くなればなるほど美味しく感じるコーラと同じように、寒くなればなる程美味しく感じる真冬の中国茶。冷たい空気の中で湯気がいつも以上にホワホワと立ち上る様を眺めながら、自分好みの濃さになるまでじっくりと抽出し、火傷しないように気をつけて。今回の記事では、冬に飲みたい中国茶をご紹介いたします。
身体を芯から温めてくれるお茶
寒い時には身体を温める、暗い色のお茶がおすすめです。発酵や焙煎のしっかり効いた烏龍茶や、紅茶、プーアル熟茶などは血行を良くし、身体の芯まで温めてくれます。取り扱いのあるお茶であれば、「正山小種」「鳳凰単叢蜜蘭香」が身体を芯から温めてくれる色の濃いお茶となります。ポカポカになりすぎて顔が少し火照ってしまうことも。また、空の色に合わせてお茶を選ぶ方法が冬でも活躍します。明るい時間には元気が出るような明るい色のお茶を。寒い時期は暗くなるのも早いので、暗くなってからは色の濃いお茶と飲み分けるのがいいかもしれません。
冬に摘まれる茶葉の種類
お茶の時期といえばいつを思い浮かべますか?「夏も近づく八十八夜」と歌にもあるように、八十八夜=立春を基準にそこから88日目が日本の新茶が摘まれる時期となります。八十八夜は日付で言えば、多少のズレは年によってあるのですが大体5月2日前後となります。と言えども地域や標高によって気候が違うので、場所によってはこれよりも早い4月後半くらいから採摘が始まることも珍しくありません。それからこちらも地域差はありますが、45日程度の間隔で2〜4回お茶を摘むことができます。この時期まで、お茶を摘むことはあまりないようなのですが、最後のお茶摘みは遅くとも11月初旬には終わることになりますね。
雪片と春摘みについて
では中国の場合はどうでしょうか。中国緑茶に関しては日本茶と違い、多くが3月〜4月の新茶シーズンの1度きりのお茶摘みとなります。それ以外のお茶に関しても多くが1度きり、種類によっては春〜秋の3度ほどとなっております。ここまでは日本茶とあまり変わらない印象を持つかもしれませんが、広東省の烏龍茶である鳳凰単叢は冬にも収穫をします。これは「雪片」と呼ばれ、同じ樹から摘まれるにも関わらず、春摘みのお茶とは大きく異なる表情を持っているお茶となります。春のお茶と比べると、雪片は一口含んだ瞬間にとても力強く茶の香りを感じる物が多い反面、余韻に関して言えば春のお茶に軍配が上がる傾向があります。最大瞬間風速: 雪片繊細さや余韻: 春摘みといったところでしょうか。寒い季節が苦手な方も多いかもしれませんが、そんな環境で飲む中国茶の美味しさを知ると、少しだけ冬が好きになってしまうかもしれません。難しい作法はなくても大丈夫。お湯を沸かして、マグカップを温めて。ティーバッグにお湯を注いで飲み進めれば、気づけば足先までぽっかぽかなんて。美味しく香って温かく。冬だからこそ、幸せなため息をつきましょう。Photo: Rintaro Kanemoto中国茶専門店Haaは、公式通販オンラインストアにて販売しています。最新のブランド情報はニュースレターにご登録をいただくか、インスタグラムのご確認をお願いいたします。
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日本のコンビニやスーパーマーケットのペットボトルのお茶の充実度に慣れていると、海外に行ったときに色々とびっくりしてしまうことがあります。それは欧米圏では、スーパーやコンビニに行ってもかろうじて紅茶のペットボトルを少しだけ見かけるくらいだったり、東南アジアではペットボトルのお茶が甘かったりすることです。近年では東南アジアでも甘くないペットボトルのお茶を少しずつ見かけるようにはなってきましたが、毎シーズンのように各企業が競って緑茶やほうじ茶の新商品を開発する日本と比べると大きな差があります。このような経験をすると、お茶というものが日本においてどれだけ身近なものなのかと再認識させられますよね。そもそも甘いお茶というのが想像出来ない人も多いかもしれません。ただ紅茶を甘くして飲んだり、抹茶を甘いラテなどにして飲むなど案外身近に甘いお茶は存在しており、近年ではタピオカの専門店も増えたことにより、嗜好品としての甘いお茶というものは徐々に広がりを見せています。今回はあまり甘くして飲むことの多くない中国茶を、甘くして飲んでみよう、という少しだけ挑戦も兼ねた記事となっています。
砂糖を使いたくない人に
とはいえ、なるべく普通の砂糖を使いたくないと考えている人もある程度いると思います。砂糖はどうしても身体によく無いイメージがあり、また体質的に合わない方も少なくはないでしょう。そこで白砂糖や三温糖よりも更に美味しく、そしてより健康的に甘いお茶を楽しむことができる方法をお伝えいたします。まずは砂糖の代替品として使えるものをピックアップしてみましょう。・果物・蜂蜜・黒糖身近に買えるものだとこのあたりでしょうか。果物にはお茶との相性の良いものが沢山あります。芳醇な香りや酸味がお茶の香りと綺麗に混ざり合うと、本当に心地がよく自然と笑顔が。以前イベントで行った中国茶と中国スイーツのペアリングコースでも、お茶にとても合う、相性の良い果物を使ったスイーツを提供し、好評をいただきました。黒糖は砂糖の一種ではあるので砂糖の代替品としてはなんともいえませんが、素材の不純物を取り除いていないのでミネラルやビタミン等の沢山の栄養が含まれています。香りや味が強いので、相性の良いお茶とそうでないお茶とがあるので、少々気をつけた方がいいかもしれません。
砂糖の代わりになるもの
(蜂蜜)蜂蜜は美容にもとても良く、お茶と合わせることによって更に美容の効果を高めることができます。ふわ〜っと一息つきながらどんどんと綺麗になるような、そんな二つの幸せに同時に浸ってみてください。(果物)お茶に香りをつけて、ほのかに甘みを足すのであればスライスしたものを数枚入れてみましょう。しっかりと果物感を味わいたい時は、ミキサーで砕いたものを合わせてみてください。市販のジュースは香料が入っていたり、加糖されているものが多く、あまり相性がよくありません。とはいえ果物といっても酸味のあるもの、甘味の強いもの、芳醇な香り、柑橘系のものと様々な種類があり、お茶との相性も様々なので以下にHaaで取り扱っているお茶と相性の良い果物を挙げてみます。鳳凰単叢蜜蘭香: ライチ / スイカ鳳凰単叢鴨屎香: 白桃 / 洋梨白牡丹: 和梨茉莉花茶: レモン(黒糖)黒糖自体が重くて複雑な香りを持っているので、香りの軽いものや華やかなお茶との相性があまり良くありません。こちらも紅茶や烏龍茶といった色や香りの濃いお茶との相性が比較的良いです。反対に緑茶や白茶、色の薄い烏龍茶などとの相性はあまりよくありません。黒糖の香りが強すぎて、繊細な味のお茶が負けてしまうからです。それに色の薄いお茶に溶かすと、お茶の色が暗くなってしまうのも少しだけ勿体ないですよね。プーアル茶のような重厚で濃い香りのお茶との相性もとても良いので、ぜひお試しください。
中国茶を使ったアレンジ
紅茶「正山小種」はバラのような艶やかな香りと、とても長く尾を引く余韻が特徴です。この紅茶に少しだけミルクと蜂蜜を入れてくるっと3回かき混ぜれば、今晩はそれだけで大満足。ほっこりこっくり身体の芯まで温まります。正山小種: 1pcお湯: 150ml牛乳: 50mlティースプーン: 2杯シナモン: 1振り①お湯で温めたマグカップにティーバッグを入れて、沸騰したお湯を150ml注ぎ2分半蒸らす。②ティーバッグを抜き取り、ティースプーン2杯分程度の蜂蜜を入れてかき混ぜる。③ミルクを入れる。(電子レンジで少しだけミルクを温めておくとお茶が冷めません)④お好みでシナモンを1振り。エレガントな香りのミルクティーが更にエレガントな仕上がりに。知っているようで新しいミルクティーをお楽しみください。質の高いお茶はストレートで飲むのが一番の方法かもしれませんが、少し手を加えてみると面白いくらい方向性が変わることがあります。良いお茶特有の余韻は、甘くしても邪魔されることは殆どないので少し雰囲気を変えてみたい時は是非とも挑戦してみてください。Photo: Rintaro Kanemoto中国茶専門店Haaは、公式通販オンラインストアにて販売しています。最新のブランド情報はニュースレターにご登録をいただくか、インスタグラムのご確認をお願いいたします。
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SDGsという言葉を耳にすることが増えた昨今、フードロスについても深く考えることが増えてきました。そんな流れでみなさん気になるであろう話題がこちら「お茶に消費期限と賞味期限はあるのか」。この記事を読んでくださっている方々は、まだ家にお茶があるにも関わらず、新しいものを購入してしまったという経験をしている方も多いはず。それと不思議なことに、茶葉やティーバッグを知り合いから頂く機会も普通の人より多いのではないでしょうか。面白いことに、なぜかお茶がお茶を呼んでしまうんですよね。しかし、いくらお茶を愛していても、さすがにお茶を1日に5リットルも飲むことは難しく、茶葉が余ってしまうことも。今回の記事では、お茶の賞味期限についてに加えて、余ったお茶の活用術や、正しい保存の方法をお伝えしたいと思います。
賞味期限と消費期限とは
まず前提として、食品として販売する全てのものには「賞味期限」「消費期限」を記載しなければなりません。「賞味期限」というものは、この期間内であれば美味しく消費することができます、という内容のもので、調味料や乾物といった比較的長い保管期間を想定したものに適用されます。「消費期限」は、この期間内であれば安全に食べることができる、という期日を記載したもので、こちらは比較的保管期間の短いものに適用されます。いわゆる放置しておくと「腐敗」する可能性のあるものに多く使用されるのがこちらの消費期限です。どちらも本来の期限より短めに設定されているので、1日でも過ぎれば腐って不味くなる、お腹を壊してしまうといったことはないのでご安心ください。特に日本では賞味期限、消費期限が他国に比べてより短めに設定されてる傾向があります。
お茶に賞味期限はあるのか
こちらはなかなか難しい話になってしまうのですが、結論から言うと上記と同じように製品として販売されているお茶にも賞味期限の記載をしないといけません。お茶の場合は、ある程度すぐに食べてくださいね、というものではないので消費期限ではなく賞味期限の掲載が必要です。では、一体なにが難しい話なのかというと、実際には賞味期限を越しても美味しく飲めるお茶があるということです。さらに言えば、賞味期限を越してからのほうが美味しくなるお茶もあるのです。お茶の種類によって早めに飲み切ったほうがいいものと、長期保存に向いているものがありますが以下で紹介させて頂きます。(賞味期限を気にした方が良いもの)・緑茶・花茶日本の緑茶も中国の緑茶も共通していて、緑茶に関しては製茶後にゆっくりと茶葉の酸化が始まってしまうので、出来るだけ早めに消費してしまったほうがいいでしょう。時間が経った緑茶は味に奥行きがなくなり、香りもとても浅いものになってしまいます。それに加えて、茶葉が入っている袋や容器を開け閉めする度に、湿気や酸素に晒されて茶葉が劣化してしまうので、開封後は早めに飲み切ってしまうのが美味しいお茶を飲むコツです。花茶のように茶葉に香り付けされているものや、お花そのものを飲むお茶も時間が経つと香りが弱くなってしまう傾向があるので、こちらもなるべく早めに飲み切ることをおすすめします。(賞味期限をある程度無視しても大丈夫なもの)・烏龍茶・紅茶紅茶や烏龍茶の特に発酵、焙煎のしっかりしたものは空気や湿気に触れないように保存すれば、賞味期限をあまり気にせず飲むことが出来ます。しっかりとした保存ができれば、角が取れてより美味しくなる可能性も秘めています。お茶農家さんが保管していた20年以上昔の高品質な烏龍茶が、高値で取引されていることも。ただ、茶葉の質や保存環境にもよるので、置いておけば絶対に美味しくなると言い切れないのが難しいところ。賞味期限が切れてしまった烏龍茶や紅茶を見つけたら、焦って捨ててしまわずに、フラットな気持ちで一度飲んでみてはどうでしょうか。反対に、発酵や焙煎の浅いもの(茶葉の緑色がしっかりと残っているもの)に関しては、緑茶と同じようにどんどんと劣化していってしまう傾向があるので、こちらは烏龍茶でも早めに飲みきるのがいいでしょう。(賞味期限が切れたほうが美味しい可能性のあるもの)・白茶・黒茶(プーアル茶)白茶や黒茶(特に生茶と呼ばれるもの)に関しては、加熱処理をしておらず長期熟成に向いています。白茶も10年を超えるようなものもありますし、黒茶を代表するプーアル茶などは2000年代以前のものも数多く目にすることがあります。これらは適切に保存すれば、ゆっくりと熟成が進み、優しい旨味と、えも言われぬ奥行きのある、深い香りを持ったお茶へと変化します。安い白茶を大量に買い、家で何年も寝かせつつ楽しんでいるお茶好きも中国には多くいます。直射日光、酸素、湿気には気をつけて何年もかけてお茶を育てていくのも粋ですよね。
お茶の正しい保存方法
少しでもお茶を長く美味しく飲むための、おうちでもできる保存方法を紹介いたします。まず茶葉の天敵は、「湿気」と「光(特に日光)」「酸素」ということを覚えておきましょう。茶葉の入っている入れ物が、最初からチャックのついている光を通さない素材であれば、そのまま使用しても問題ないでしょう。ただ、チャックのついていないものであれば、空気を抜いたジップロックの中に袋を入れて保管するのがいいでしょう。チャックがついていて、透明の袋に入っている茶葉やティーバッグは、酸素や湿気の心配はあまりないので光を通さない缶などに入れることができればベストです。冷蔵庫や冷凍庫に入れるべきか、という質問も多く頂きますが茶葉は周りの匂いを吸収してしまう特性があるので、家庭用の冷蔵庫にいれるのはあまりおすすめはしません。密封できていなかったり、香りを通してしまう素材の袋で茶葉を保管していると、冷蔵庫のキムチなどの香りがついたお茶になってしまうことも。冷凍庫に関しても開け閉めをする時に茶葉が結露してしまったり、冷凍庫に戻し忘れた時には冷たい茶葉に水がついてしまうので、家庭で飲む程度ではあまりおすすめしません。戸棚の中や、箱の中といったあまり湿気のない暗い場所に置いておき、袋を閉める時に空気をしっかり抜く、ということをするだけで茶葉の劣化のスピードを落としたり、美味しい熟成を進めやすくすることができます。
賞味期限切れのお茶の活用方法
賞味期限が切れてしまったお茶、これは茶葉の状態によってはまだまだ飲めます。それよりも茶葉が酸化してしまい美味しくなくなってしまった。封を閉じ忘れて茶葉が湿ってしまった。そのような茶葉をなんとなく捨ててしまっていませんか?美味しく飲むことは少し難しいかもしれませんが、使い方によっては、生活に役立つ有効な使い道がまだまだ残っています。(消臭剤)前述した周りの匂いを吸収する特性と、お茶が持つカテキンの消臭効果を利用し、消臭剤として使用します。ティーバッグに入っているものであればそのまま、そうでないものでしたらティーバッグやガーゼに包んで5-10g程入れましょう。冷蔵庫のような臭いの気になる場所に置いておけば、1週間程度は嫌な匂いを抑えることができます。茶葉が湿気を吸ってくれるので、消臭だけでなく除湿を兼ねて靴に入れるのも効果的です。(入浴剤)一般的な湯船でしたら30-50g程度のまとまった量が必要になってきますが、お茶の保湿効果でお肌がしっとりスベスベに。お茶の種類によってはお茶に含まれるミネラルの効果で、身体の芯までじっくりと温まります。茶葉をティーバッグに入れて湯船に投入するだけ。早く、濃く抽出したい場合は小鍋に1-2リットル程度のお湯を入れ、茶葉を数分煮出してから湯船に投入するといいでしょう。高円寺の小杉湯で毎月行っていた烏龍茶風呂は毎回、とても嬉しい声を頂いて大好評でした。日本で生活をすると、どうしても賞味期限に敏感になりすぎてしまうのですが、お茶に関しては賞味期限ではなく、自分の舌を信じてみましょう。でもやはり心配という方は、上に挙げたような飲む以外のお茶の使い方を是非とも試してください。お茶の意外なパワーに驚くこと間違いありません。農家さんが手間隙をかけて育てたお茶、是非ともじっくりと味わってみてください。Photo: Rintaro Kanemoto中国茶専門店Haaは、公式通販オンラインストアにて販売しています。最新のブランド情報はニュースレターにご登録をいただくか、インスタグラムのご確認をお願いいたします。
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過去10年程のエナジードリンクブームからの反動か、近年はノンカフェインの飲み物がフューチャーされるようになってきました。
みなさんはカフェインを摂取すると、体にどのような影響があるのかご存知でしょうか。今回の記事では、カフェインの効果や中国茶を中心に、カフェインが入っていない、または少ないお茶についても紹介させていただきます。日常的に飲むお茶のカフェインを気にされている方はぜひ参考にしてみてください。
摂取するメリットやデメリット
カフェインはコーヒーやお茶に含まれる天然成分の1つで、血管を拡張し血流を良くする効果があります。また、中枢神経にも作用して脳を覚醒させたり、疲労を感じにくくさせるという効果を持っています。朝にコーヒーを飲む人が多かったり、夜にコーヒーを飲むと眠れなくなってしまうのは、上記の作用によるものですね。余談になってしまいますが、カフェイン(caffeine)は英語で書くとピンとくるかもしれませんが、その文字列の通りコーヒーを語源としています。その反対に、お茶のリラックス成分や旨味成分として知られているアミノ酸であるテアニン(theanine)はお茶にしか含まれておらず、お茶を語源としているのがひと目で分かります。(カフェインを摂取するメリット)カフェインを摂取するメリットは次の通りです。・眠気がなくなる・疲労回復・鎮痛・ダイエット(カフェインを摂取するデメリット)一方、カフェインを短期的に過剰摂取したときのデメリットもあります。・めまい・心拍数の増加・不眠症・下痢・吐き気利尿作用もあるので、長時間の移動の前などは飲む量などに気をつけたいですね。またカフェインには依存性があるので、長期にわたって多くのカフェインを接種し続けると、病気や妊娠などでカフェインの接種を控えないといけないときに、少しの間苦しむことになってしまう人もいるかもしれません。とはいえ、現代社会ではカフェインを取らずに生活するのはなかなか難しいところですよね。よく妊娠中の女性はカフェインを摂取しない方がいいと言われます。これは妊婦が1日300mg以上という高濃度のカフェインを摂取することで、胎児の低体重化が起きる可能性が指摘されているからです。このことから、妊娠中はカフェインが含まれる飲み物を減らしたり、デカフェと呼ばれるカフェインの含有量が少ない飲み物を飲んだりすることをおすすめします。コップ一杯のお茶では問題のないカフェイン量とも言えますが、ノンカフェインや低カフェインでも美味しいお茶が沢山あるので、そちらに目を向けるもの良いかもしれません。
中国茶に含まれるカフェイン
中国茶にもカフェインが含まれていますが、お茶の種類によってカフェインの含有量に違いがあります。一般的にカフェインが多いとされているのは次の順番ですが、例外も多くありますので、参考程度に思っておいたほうがいいかもしれません。緑茶 | 白茶 > 紅茶 > 青茶 | 黒茶例えば白茶はカフェイン含有量が多いと言われることが多いですが、カフェインを多く含むお茶の芽だけで作られる「白豪銀針」と、カフェインをあまり含まない葉の部分を主に使用した「寿眉」では、同じ白茶でも前者の方がカフェインを多く含みます。また、花茶にはカフェインが含まれないと言われることもありますが、茉莉花茶のように茶葉を使用する花茶にはカフェインが含まれます。お茶にもコーヒーと同じくカフェインが含まれているのに、バキッと目が冴えることが少ないのはなぜか分かりますか?冒頭でもお話しましたが、お茶にはお茶特有のテアニンというリラックス成分が入っています。身体の力が抜け、所謂良い感じになるこの成分が、カフェインの興奮作用を緩和させるのです。どこか気持ちが緩く、でも頭はスッキリするのがお茶のカフェインの利き方なんですね。
カフェインを避けたい時に飲むお茶
(ノンカフェインのお茶)有名なノンカフェインのお茶は次の通りです。ルイボスティー: 南アフリカにしか生息しない植物から作られるお茶です。人工的にカフェインを除去したわけではなく、ルイボスそのものがノンカフェイン。甘い香りと爽やかな風味が楽しめます。杜仲茶(とちゅうちゃ): 古くから中国で健康維持に飲まれてきたお茶。血圧やコレステロール値を下げる効果も示唆され、特定保健用食品にも使われています。菊茶: 中国茶の花茶の一種。菊の花のみを使用しているので、カフェインはゼロ。小さなつぼみほど香りが高く高級品とされています。麦茶: 穀物である大麦を原料として作られているお茶。汗をかいたときに不足するミネラルが含まれているので、熱中症対策としておすすめですね。(カフェインが少ないお茶)カフェインが少ないお茶は次の通りです。ほうじ茶: 日本でもよく飲まれるお茶ですね。焙じる時にカフェインが少なくなることや、比較的カフェインの含有量が少ない茎や葉を使用することが多いためカフェインの少ないお茶に仕上がります。紅茶やプーアル茶: お茶は強く発酵しているもののほうが、カフェインの効きもマイルドになる傾向があります。紅茶や、麹菌で発酵させた熟プーアル茶などは比較的カフェインが少ないと言われています。しかし、芽を多く使ったお茶や、発酵の浅い生プーアル茶は多くカフェインを含むことがあるので注意が必要です。日本人は、比較的カフェインが効きにくい体質の方が多いと言われているものの、やはりそこは個人差があります。アルコールへの耐性と同じく、自分のカフェインへの耐性がどれくらいなのかを理解してお茶やコーヒーを楽しんでみてください。自分はカフェインがダメ、という方も、この記事で色々なノンカフェインのお茶や低カフェインのお茶を紹介したので、ぜひ試してください。カフェインに強い方も、そうでない方もみんながお茶を楽しめるようになっていただければとても嬉しいです。Photo: Rintaro Kanemoto中国茶専門店Haaは、公式通販オンラインストアにて販売しています。最新のブランド情報はニュースレターにご登録をいただくか、インスタグラムのご確認をお願いいたします。
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